井上ひさしのサッカー
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大の野球ファンであった。そんな彼が、サッカーを観、「サッカーの本を読んだ」。
挙句の果てにサッカーのアンソロジーまで出してしまった。
『サッカーを考える本』光文社文庫1998年刊。
なにしろいったん夢中になるととことんのめりこんでしまう人なのだ。
この中に「十一月十六日の二つのシステム」という一文を寄せた。
日本が初めてワールドカップ出場を決めたあのイラン戦、岡野の劇的ゴールについて、彼らしく理屈っぽくかつ感動的に伝えている。
中田英寿はいかにも彼の好みで、イタリアびいきの奥さんの薫陶もあっただろう、それが名文『ボローニャ紀行』へ結実することとなる。
さて、その初出場フランス大会予選リーグ三敗に終った相手のひとつがクロアチアであった。
リベンジを期待しよう。
文・井上恒(井上ひさし研究家/川西町地域おこし協力隊)