知ってっか?山形 ~本と雪とウクレレ、そして温泉の3年間~
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山形県、そして川西町で過ごしたこれまでの3年間は、実にエキサイティングでした。 夏は35度以上になるのに冬は埋もれるくらい雪が降る、とにかく気温差の大きい土地で、毎晩寝るときにはどう調整するか困ったものでした。
遅筆堂文庫の膨大な蔵書は、しばしば「本の海」と表現されますが、私は「遺跡」のようなものだと感じていました。 この3年間、遅筆堂文庫分室の整理を続けてきましたが、掘れば掘るほど新しい発見と驚きがあります。 交流館あいぱる内の遅筆堂文庫分室の隣に埋蔵文化財展示室があるのが偶然とは思えません。 遅筆堂文庫は、天神森古墳や下小松古墳群と同じく、川西町が誇るべき文化遺産です。
せっかく山形まで来たのだから、置賜以外も楽しもうと、月に1~2回、気分転換も兼ねて山形や天童まで出かけていました。美術館や博物館へ行くことが多かったのですが、実は、山形市に行く用事で最も多かったのは「献血」です。成分献血ができる場所が県内に1か所しかないというのは実に不便です。赤十字にはぜひ米沢あたりにもう一つ献血ルームを作ってほしいと願う今日この頃です。(米沢からだと福島の献血ルームの方が近いかもしれません)
山形県はすべての市町村に温泉があると聞き、35市町村すべての温泉に入るという目標を立て、2年ほどかけて達成することができました。「千と千尋の神隠し」の舞台のモデルであるという噂もある銀山温泉を生で見ることができたのは嬉しかったです。途中で買った尾花沢すいかは、びっくりするほど甘かったです。塩をかけるのは邪道だという人の気持ちがわかりました。そして、またしても温泉空白地帯となってしまった新庄市に温泉施設が復活してくれることを祈っています。 温泉巡り、そして夏に開催された各種スタンプラリーの道中で、各市町村の面白い場所にも出合えました。中でもインパクトが強かったのは、戸沢村の道の駅。川沿いに突如として現れる、韓国風の建物。農家の後継者不足を解消するために、国際結婚を奨励したところ、韓国人女性を多数迎えたのがそもそもの始まりだとか。本場の韓国グルメが味わえ、店内には所せましと韓国グッズや食品が置いてあるその様は、まるで新大久保。そんなわけで、普段お酒をあまり飲まない私が、マッコリを数本買って帰りました。ちなみに、一緒に買った高麗人参ドリンクはいつか飲もうと思って台所に置いてあります。
そしてつい2か月ほど前に出会ったウクレレ。地面と屋根が繋がるほどの雪の中、南国ハワイの象徴とも言える楽器と出会ってしまったことがこれまた不思議。ウクレレの小さなボディには、雪国の鬱屈した気分を吹き飛ばしてくれるパワーが秘められています。そして練習を始めてからわずか1か月でフレンドリープラザの舞台に立つことになるとは・・・そんな無茶苦茶なことができてしまうのもまたウクレレの魅力です。
という感じで、地域おこし協力隊としてのこれまでの3年間を振り返ってみました。味わい深く、面白く、どんでん返しが続けざまにやってくる、まさに井上ひさし作品のような時間でした。 地域おこし協力隊としては一旦区切りを迎えますが、まだまだ川西町にはお世話になりますので、今後ともよろしくお願いいたします!(林)